今回も前回に引き続き、Line6「HX STOMP XL」の紹介記事になります。
今回は活用方法の一つ、リターン挿しについて説明。
私がメインで使っているセッティングになります。
内臓のアンプシミュレーター(アンシミュ)を使って音作りしたい人は是非参考にしてみてください!
- HX STOMP XLの使用方法の一つ、リターン挿しのやり方、効果
- リターン挿しのメリット
- リターン挿しを使っての音作り方法
HX STOMP XL
改めて、こんな見た目です。
写真は私が使っているものなのですが、スイッチにキャップを付けています。
MOOER(ムーアー)というメーカーの「Mushroom Footswitch Hat FT-MTP 10pcs」という商品になります。
スイッチの故障を防止したいのと、踏み損なうことがなくなるかなと思って付けてます。
HX STOMP XL(HX STOMPも同様です)は、スイッチを指で触れるだけで操作することができるのですが、それは出来なくなります。
ただ、実はスイッチと本体の隙間の部分を触ればタッチ操作ができるので、家で使う場合や、スタジオでもしゃがんで設定する場合などはキャップを外さなくてもタッチ操作ができます。
※HX STOMP XLの基本的な仕様などについては前回の記事を参照ください
リターン挿し
私がスタジオやライブハウスで本物のアンプを使う時の接続方法ですが、アンプにリターン挿しをしてます。
アンプとエフェクターの接続順
ギターとアンプを繋いで、アンプで歪みの音を作る場合、
・ギター → アンプ(歪み)
となりますよね。
この時に「ディレイをかけたい!」となった場合、
・ギター → エフェクター(ディレイ) → アンプ(歪み)
となります。
音作りとして、ディレイは歪みのあとにかけるのが一般的なので、上記の場合は綺麗にディレイがかからなかったりします。
※もちろん、狙ってそういう音を出す場合もあるので、どれが正解というわけではないです。あくまで一般的な話しとして考えてください
歪みをエフェクターで作る場合は、
・ギター → エフェクター(歪み) → エフェクター(ディレイ) → アンプ(クリーン)
となり、綺麗にディレイがかかります。
だけど、やっぱり歪みはアンプで作りたい!ということは多いと思います。
じゃあどうすれば良いか?対応方法を書いていきます。
アンプの仕組み
まず先にアンプの仕組みの話しを簡単にします。
マーシャルを例にすると、アンプは2段に別れていると思います。
上段がヘッド、下段がキャビネット(スピーカー)ですね。
そして、ヘッドは実は中がプリアンプとパワーアンプという2つに分かれています。
それぞれが何をするかというと…
- プリアンプ → 歪みを含め、音色を作るところ
- パワーアンプ → プリアンプで作った音を増幅するところ(増幅しないと音がものすごく小さいのです)
となっています。
ちなみにJC(ジャズコーラス)もキャビネット(スピーカー)が一体型になっていますが、仕組みは同じです。
先ほどの話で、アンプの歪みにディレイを掛けたい、となった場合にどうすれば良いか?
お気づきの方もいるかもしれませんが、上記のプリアンプの後にディレイを掛けて、その音をパワーアンプで増幅したら綺麗にディレイがかかります!
センドリターン(エフェクトループ)
プリアンプの後にエフェクターを掛ければ良い、というところまでは分かりましたが、じゃあ実際どうすればいいの?ということで、セッティングの仕方を書いていきます。
スタジオに置いてあるような大きめのアンプ(マーシャルやJCなど)は、モデルにもよるのですが、裏面にセンドリターンとかエフェクトループといったものが付いています。
ちなみにセンドリターンとエフェクトループは、基本的に呼び方が違うだけで機能は同じです。
これらはどういう機能かというと、プリアンプとパワーアンプの間にエフェクターを繋ぐことができます。
接続順は…
- ギター → (INPUT) → プリアンプ → (SEND) → エフェクター → (RETURN) → パワーアンプ
という流れになります。
ある意味プリアンプが歪みエフェクターみたいに使えるということですね。
以上がセンドリターン(エフェクトループ)の基本的な説明になります。
リターン挿し
では改めて、リターン挿しとは?という話になりますが、上記のセンドリターンの繋ぎ方のうち、アンプのプリアンプ部分を使わずに、HX STOMP XLで代用する、という使い方になります。
具体的には、「HX STOMP XL」のアウトプットからセンドリターンのリターンに挿します。
※この時、表面のインプットは使用しません!
これでマーシャルのプリ部を通らずにパワーアンプに直接INされます。
接続順としては…
- ギター → HX STOMP XL → (RETURN) → パワーアンプ
となります。
アンシミュはアンプのプリアンプ部分を置き換えて使うので、マーシャルのインプットに挿してしまうと、プリアンプ→プリアンプ→パワーアンプとなり、プリアンプが重複してしまい狙った音が出ない、ということになります。
リターン挿しをすることで、この状況を回避することができます。
プリアンプがアンプの音色に対して1番影響がある部分なので、ここを好きなアンプのモデリングを使うことで、本物のアンプを使わなくても出したいアンプのイメージに近い音が出せると思います。
もちろん、パワーンプとキャビネットによっても音は変わるので毎回同じとは言えないですが、1番音に影響があるプリアンプ部分をいつも同じにできるので、出音の安定感は格段に上がると思います。
リターン挿しの注意点
リターン挿しの場合、実アンプ側のループレベルを調整しましょう。
Line6の「HX Stomp XL」のアウトプットがLINEの場合、ループレベルは+4db(high)にします。
ただ、ここは音量に直接関わるので状況に応じて調整してください。
マーシャルがJCM2000だとオンオフのスイッチ式だけど、JCM900の場合はツマミで細かく調整が出来るようになってます。
JCもhighとlowをスイッチで選択する方式だと思います。
アンプが壊れることはないと思うので、試しながら最適な音を探すのが良いと思います。
また、リターン挿しの場合マーシャル前面のコントロールはJCM2000だとマスターボリュームしか効かなくなります。
JCM900の場合はマスターボリュームとプレゼンス、リバーブのみが効きます。
この辺りはアンプによって異なるので、使用するアンプで試してみるのが良いと思います。
音作り例:私のセッティング
Line6の「HX Stomp XL」の方は「Diezel VH4」を中心に、いくつかのプリアンプを切り替えて使っています。
- Diezel VH4
- JC120
- Freedman BE100(歪み/クリーン)
- ボグナー Ubershall
が主に使っているプリアンプです。
改めて、接続ルートは、
ギター → 「HX Stomp XL」のプリアンプ → マーシャルのパワーアンプ + キャビネット
となります。
例えばDiezel(歪み)とJC120(クリーン)をスイッチ一つで簡単に切り替えられること、どんな環境でも大体同じ音が出るというのが大きな利点ですね。
まとめ
ということで、リターン挿しと私のセッティングについてなどの紹介でした。
簡単にまとめると…
・リターン挿しとは、HX STOMP XLのプリアンプを使用し、物理アンプのリターンに接続。
物理アンプのプリアンプを通さず、パワーアンプに直接接続すること。
・リターン挿しのメリットは、HX STOMP XLのプリアンプをスタジオやライブで使うことが可能。
物理アンプを持ち運ばなくても、スタジオやライブハウスである程度いつも同じ音が出せます。
・HX STOMP XLの豊富なアンプシミュレータをスイッチ一つで入れ替えて使える。
すごく便利なので、HX STOMPやHX STOMP XLをお持ちの方はぜひ試してみてください。
ということで今回の記事はここまで。
次回はHX STOMP XLの機能、スナップショットについて書こうと思います。
また次回も読んでください!
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